手洗いをしっかりしよう!Japaaan

大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 「どうする家康」何を考えておられるんじゃあ~!第19回放送「お手付きしてどうする!」振り返り

「どうする家康」何を考えておられるんじゃあ~!第19回放送「お手付きしてどうする!」振り返り:2ページ目

一、信玄の死について

……   君は信玄が死を聞しめし。今の世に信玄が如く弓矢を取進すものまたあるべからず。我若年の頃より信玄が如く弓矢を取たしと思ひたり。敵ながらも信玄が死は悦ばずおしむべき事なりと仰せられしかば。これを聞ものますゝゝその寛仁大度を感じ。御家人下が下まで信玄が死はおしむべきなりと御口真似をせしとぞ。……

※『東照宮御実紀』巻二「信玄卒」

三方ヶ原合戦で武田信玄(演:阿部寛)に惨敗、トラウマを負わされた家康。しかし恐怖ばかりでなく尊敬の念も持っていたようです。

「わしは若いころから信玄のような名将になりたいと願っておった。敵であっても、その死を心から惜しむぞ」

これを聞いた家臣たちは、敵からも多くを学ぼうとする家康の態度に感服。以来誰も信玄の死を惜しむようになったのでした。

冒頭に登場した琵琶法師(演:友吉鶴心)が「生者必滅、会者定離(しょうじゃひつめつ えしゃじょうり)」と唄うように、生きている者は必ず死に、会った者は必ず別れるのが世の習い。

信玄という偉大な敵であり師を得た家康は、その死を乗り越えて天下を獲る将器を養っ……ていったはずです。

ちなみに野ざらしの白骨死体は、あれは琵琶法師ですよね?よもや「三年死を秘せ」と遺言していたのに、遺体を放置していくはずもないですし……。

近くに琵琶があったようなのでそう思いますが、でも武田菱の入った脇差をそこに置いていくというのは……。

3ページ目 足利義昭の追放、浅井長政の滅亡について

 

RELATED 関連する記事