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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 「どうする家康」何を考えておられるんじゃあ~!第19回放送「お手付きしてどうする!」振り返り

「どうする家康」何を考えておられるんじゃあ~!第19回放送「お手付きしてどうする!」振り返り

第20回放送「岡崎クーデター」

さて、予想通りのラブコメ回となった今週の「どうする家康」。完全なフィクション作品として観るなら、役者のファンやそういうのが好きな方には、それなりに面白いのでしょう。

しかしせっかく大河ドラマなのですから、肝心の歴史物語にもう少し力を入れて欲しいと思いました。

中には「歴史に詳しくない視聴者でも楽しめる」という意見もあるものの、それなら例えば足利義昭がなぜ信長と対立したのか等にも言及・描写があるべきです。

視聴者の大半が日本史に詳しい(徳川家康の生涯について、その大筋を知っている)ことが前提で成り立っていなければ、例えば金ヶ崎の合戦を「何やかんや」で済ませたりはしないでしょう。

気を取り直して、次週の第20回放送は「岡崎クーデター」。三河攻略をもくろむ武田勝頼(演:眞栄田郷敦)が、徳川信康(演:細田佳央太)と瀬名を狙います。

……そのころ長篠の城は奥平九八郎に賜はりて是を守りけるに。勝頼は    当家の御家人大賀弥四郎といへる者等を密にかたらひ。岡崎を乗とらんと謀りしも。その事あらはれて大賀等皆誅せられしかば。ますゝゝいかりやむときなく。長篠城をとりかへさんと二万余騎にて取かこむ事急なりとへども。九八郎よくふせぎておとされず。……

※『東照宮御實紀』巻二 天正三年「長篠役(大戦之三)」

勝頼は徳川家臣の大岡弥四郎(演:毎熊克哉。大賀弥四郎)を調略して岡崎城の乗っ取りを共謀。それが発覚して弥四郎は処刑されます。

計画が失敗した勝頼は奥平信昌(演:白洲迅。この時点では奥平貞昌)が守備する長篠城を攻めるため、兵を進めるのでした。

瀬名「そなたは徳川のおなごであろう!」

五徳姫「私は織田信長の娘です!」

予告編で瀬名と五徳姫が言い争っていたのも気になります。しかしいつまでも実家の権威をふりかざすお嫁さんって、現代の価値観でもちょっと嫌じゃありませんか?

ともあれ女城主・瀬名(信康は完全におまけ扱い)は、岡崎城を守り抜けるのか?来週も目が離せませんね!

※参考文献:

  • 『NHK大河ドラマ・ガイド どうする家康 前編』NHK出版、2023年1月
  • 『徳川実紀 第壹編』国立国会図書館デジタルコレクション
  • 成島司直 撰『改正三河後風土記 上』国立国会図書館デジタルコレクション
 

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