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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 【賛否両論】大河ドラマ『どうする家康』を振り返り見えてきた3つの「どうする」まとめ

【賛否両論】大河ドラマ『どうする家康』を振り返り見えてきた3つの「どうする」まとめ

令和5年(2023年)NHK大河ドラマ「どうする家康」、とうとう終わってしまいましたね。

皆さんも楽しめましたか?今ごろロスになっていませんか?

X(いわゆるTwitter)を見ていたら、#どうする家康第49回 なんてハッシュタグがありました。もちろんフィクションですが、皆さんから愛されていたことが察せられますね。

さて、今年の作品では色々な試みがなされたとのことで、各メディアによれば賛否両論大きく分かれたそうです。

これまで全48回放送をすべて見届けた上で、気づいたことや感じたことなどをまとめて行きます。それでは、今年最後の振り返りと参りましょう!

→NHK大河ドラマ「どうする家康」これまでの記事はこちら

どうする時代劇

「若い人や、これまで歴史に興味がなかった人にも親しんでほしい」

時代劇や伝統芸能など、一般に若者ウケしなさそうなジャンルに携わる方が、よくそんなことを言われます。

そこで現場では、例えば言葉づかいを現代的にしてみたり、あるいは登場人物の価値観を現代的にしてみたりなどの創意工夫がなされがちです。

理解のハードルを下げることで、親しみやすくなる点では効果的と言えるでしょう。

しかしこれはさじ加減が必要で、やり過ぎてしまうと陳腐化してしまい、作品本来の魅力を損ねてしまいかねません。

例えば武士は戦いを生業とし、後世武士道と称された独自の精神構造を持っていました。

それが過剰な反戦主義者だったり、我が身かわいさに仲間を平気で裏切る卑怯者だったりしたらどうでしょう。

現代でも「戦争はよくないけど、大切なものを守るためなら、戦いも辞さない」という価値観は少なからず共感を得るはず。

それが戦国乱世という時代背景を無視して「自分や妻子の生命だけが何より大事、国も家臣もどうでもいい」という主人公がいたら、現代人でも軽蔑してしまうのではないでしょうか。

そもそも時代劇というのは、その時代の文化や思想、価値観を疑似体験するためのものです。

ただチョンマゲのカツラをかぶって刀を差せば、誰でも武士に大変身!というものではありません(そういうのは観光地のアトラクションで十分です)。

視聴率ほしさに肝心の魅力さえ投げ売りするようでは、既存のファンたちさえ離れてしまうでしょう。

そもそも、いつの時代も歴史というジャンルはファン人口こそ少なくても、必ずコアな一定数がいるものです。

今後時代劇を手がける方々は、情熱をもった視聴者やファンを信じて、作品づくりに臨んでほしく思います。

作品が純粋に面白ければ、ちょっと難しいくらいの方が「もっと知りたい」という知的好奇心が刺激されるのではないでしょうか。

2ページ目 どうする何やかんや

 

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