
戦乱の時代、秘密裏に活躍した「忍者」の真実!アニメや映画では描かれない“影の戦士”の実像
「ナルト」や「忍者タートルズ」、映画やゲームなどを通じて、忍者といえばクールで神秘的な超人――そんなイメージを持つ人が世界中にいます。暗闇を走り抜け、火や影を操る彼らは、まさにフィクションの中のヒーローです。
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しかし、実際の忍者は、そうした華やかな姿とはまったく異なる存在でした。彼らは歴史の裏側で生き、表舞台に立つことなく、任務を果たしていった「影の戦士」だったのです。
忍者の活動が特に盛んだったのは、15世紀から17世紀にかけての日本。戦乱の時代、敵の城に潜入し、情報を集め、時には火を放ち、混乱を引き起こす。直接戦うのではなく、裏から状況を変えていく――それが彼らの役割でした。
中でも有名なのが、伊賀(現在の三重県)と甲賀(現在の滋賀県)の忍者たちです。山々に囲まれたこの地では、地元の武士や民衆が中央の支配から自衛する中で、独自の戦術と情報網を発展させていきました。
伊賀・甲賀の忍者たちは、敵地への潜入、変装、破壊工作などを専門とし、特定の大名に仕えて秘密裏に行動しました。その姿は、まさに“見えない戦士”。証拠を残さず、名を残さず、それでいて戦の流れを左右する――そんな存在だったのです。
アニメや映画に登場する「火遁の術」や「分身の術」などはフィクションにすぎませんが、実際の忍者もまた、非常に高度な技術と知恵を駆使していました。
足音を消す歩き方、夜目に適した服装、特殊な道具による鍵開け。変装術を駆使して敵地に潜入し、密かに情報を集める。火薬や煙玉、小型の爆発装置などの工作兵器。さらには、薬草や毒の知識を用いて、敵の体調を崩したり、自らの健康を保ったりもしました。
こうした技術はすべて、「戦わずして勝つ」ためのもの。正面からの力比べではなく、知略と静けさ、周囲との同化こそが、忍者の本領でした。