
全文読まなきゃ勿体ない!伝説の海軍参謀・秋山真之の文才が光る「聯合艦隊解散之辞」の現代語訳を紹介【坂の上の雲】
NHKドラマ「坂の上の雲」皆さんは観たことがありますか?
……誠に小さな島国が、開化期を迎えようとしていた……
このナレーションを聞くたび、日露戦争を駆け抜けた秋山好古(阿部寛)と秋山真之(本木雅弘)兄弟、そして病床六尺で懸命に生き抜いた正岡子規(香川照之)の姿が目に浮かびます。
本編について語り出すとキリがないので、今回は秋山真之が起草した「聯合艦隊解散之辞(れんごうかんたい かいさんのじ)」を紹介。
秋山真之の才知が光る名文として、劇中でも一部が紹介されていましたが、ぜひ一度は全文を読み通して頂きたいのです。
なぜか?その理由は、読み通した後に皆さんの胸中に刻まれることでしょう。
「聯合艦隊解散之辞」が書かれた歴史的背景
時は明治38年(1905年)9月5日。大日本帝国(現代の日本)は1年8ヶ月という永きにわたるロシア帝国との苦闘(いわゆる日露戦争)を制し、おびただしい血と汗と涙を流した末に勝利をつかみとりました。
帝国海軍では、日本海海戦(対馬沖海戦。同年5月27日)において世界最強と謳われたバルチック艦隊を撃破し、日本の辛勝に貢献した連合艦隊(聯合艦隊)を解散させ、平時配備に戻すこととなります。
※ちなみに昭和20年(1945年)の敗戦以前は、対馬沖海戦の勝利を記念して5月27日を「海軍記念日」という祝日としていました。
そこで連合艦隊司令長官たる東郷平八郎が、全将兵に対する訓示(スピーチ)を述べることになります。
それが「聯合艦隊解散之辞」であり、海軍随一の切れ者であった秋山真之が、その原稿を起草したのでした。
前置きはこのくらいにして、さっそく「聯合艦隊解散之辞」本文を紹介しましょう。