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ウサギと何か関係が?4月の旧称・卯月(うづき)の由来。4月の別名もいろいろ紹介
歳をとるたび一年の早さを実感するもので、つい先日お正月が来たかと思ったら、もう1/4が……などという会話があちこちで聞かれます。
さて、そんなこんなでもう4月。新年度の始まりですが、かつては4月を卯月(うづき)と呼んでいました。
干支の卯年(うどし)などと言うように、卯とはウサギを意味しますが、それが4月とどう関係があるのでしょうか。
そこで今回は、4月の旧称・卯月の由来について紹介したいと思います。
清和月、麦秋、孟夏……4月の別名いろいろ
先ほど、干支の卯(う。ウサギ)と関係あると言いましたが、干支を頭から数えていくと、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)……そして卯は4番目。
一年間で「4番目の月」だから卯月、という説はよく知られるところですが、他にも卯花(うのはな。ウツギの木の花)が咲くからとも言われています。
卯の花は旧暦4月(現代のだいたい5月)ごろに咲き、初夏の風物詩として、平安時代の随筆『枕草子(作:清少納言)』にも言及されるなど、古くから愛されて来ました。
他にも4月には色々な別名があり、隙あらば手紙などに書き添えてみるのも一興でしょう。
陰月(いんげつ)
……陰陽の思想で、陽が極まって陰に転じる月。
植月(うえつき)
……田植えが始まる月。
得鳥羽月(えとりはづき)
……鳥が夏羽に生え変わり、多くの羽毛が得られる月。
建巳月(けんしげつ)
……冬至(旧暦11月・建子月)より数えて6番目の月。
木葉採月(このはとりづき)
……蚕(かいこ)に食べさせる桑(くわ)の葉をとる月。
清和月(せいわづき)
……天地自然が清らかに調和する月。白居易が「四月の天気和して且た清し」と詠んだ。
夏初月(なつはづき)
……夏の初めの月(旧暦では4~6月を夏とした)。
麦秋(ばくしゅう)
……麦が収穫時期(≒麦にとっての秋)を迎える月。
花残月(はなのこりづき)
……すっかり散った桜の花が、わずかに残っている月。
乏月(ぼうげつ)
……昨年に収穫した食糧が尽きて、今年の作物がまだ実らない、乏しい月。
孟夏(もうか)
……夏の孟(はじめ)。孟は長男の字(あざな)に多くつけられた(例:曹操孟徳)。
ちなみに、建卯月(けんぼうげつ)は旧暦2月を指し、卯月と紛らわしいので要注意です。
それにしても、現代人の感覚だと春真っ盛りなイメージの4月ですが、昔の人々はもう初夏をイメージしていたんですね。
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