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実は生きてた大鼠。彼女たちのモデルは神谷権六?
第16回放送「信玄を怒らせるな」で、武田家へ人質に出していた久松源三郎こと松平勝俊(演:長尾謙杜)の救出作戦で負傷してしまった大鼠(演:松本まりか)。
劇中ではいかにも死んでしまったように演じられていましたが、生きていたんですね。
本作名物、いつもの死ぬ死ぬ詐欺かとは思いつつ、ともあれ命があって良かった良かった。
しかし斬られた後遺症でクナイ(飛刀)も満足に投げられなくなっており、鬱々と暮らしていた彼女に、服部半蔵(演:山田孝之)が一言。
「俺の命じた任務で怪我をさせてしまった責任もあるし、お前のような女を娶る男もいなかろうし、おなごの幸せは男に可愛がられることであろう(意訳)」
……要するに極めて雑なプロポーズのようですが、差し出された花にかじりつき「殺すぞ」と一言。
彼女にしてみれば、これまで十数年(※)にわたり忍びのプロフェッショナルとして生きてきた誇りを踏みにじられた思いでしょう。
(※)記憶の限りでは、彼女の初登場=仕事始めは第6回放送「続・瀬名奪還作戦」。死んだ父・大鼠(演:千葉哲也)の後釜として、永禄5年(1562年)の上ノ郷城攻めに参加しています。
半蔵のセリフは、要するに「もうお前は使いものにならないから、俺が養ってやるよ」と言っているようなもの。
彼女にしてみれば、頼りないけど仲間として一緒に戦ってきた半蔵からそんなことを言われるのは、屈辱を通り越して殺意が湧いたかも知れませんね。文字通り○ってしまえばよかったのに……。
現代に喩えればクライアントに仕事はないか尋ねたら、クライアントから口説かれたようなもの。仕事人に対して、とんでもないパワハラ&セクハラ&モラハラの三連コンボです。
※実際の服部半蔵はこんなこと、言っていません(少なくとも、そのような史料は見つかっていません)。ファンの皆様はご安心下さい。
まぁ気を取り直して、そんな大鼠にはモデルがいまして、その名を神谷権六(かみや ごんろく)と言いました。
大鼠と異名をとった権六は、大村高重(おおむら たかしげ。弥兵衛)の配下として高天神城の攻略に参加しています。
……高天神落城之時弥兵衛家来神谷権六林藤内ヲ初三十六人忍之者ヲ召連御先手ニテ相働申候……
※『南紀徳川史』
弥兵衛は神谷権六・林藤内(はやし とうない)はじめ忍び36名を率いて城内へ潜入、大いに武功を立てたことでしょう。
もし高天神城の攻略を割愛しないのであれば、この戦いで大鼠を討死させる展開も考えられます。
「実はお前(半蔵)のことが嫌いではなかった」
怪我によって不覚をとり、半蔵の腕に抱かれて息を引き取る。そんな場面が目に浮かびました。
※あくまでも筆者の予想です。演者さんのスケジュールが許すなら、まだまだ活躍するでしょう。
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