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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 槍もトークも一級品!木村昴が演じる渡辺守綱はいつから、誰から「槍半蔵」と呼ばれたのか?【どうする家康】

槍もトークも一級品!木村昴が演じる渡辺守綱はいつから、誰から「槍半蔵」と呼ばれたのか?【どうする家康】:2ページ目

「おーい半蔵、助けてくれ!」

この時、半蔵は敵の首級を持っていたのですが、惜しげもなく放り捨てて傳四郎を助けました。口は悪いけど、いいヤツですね。

「せっかくの手柄を、すまなんだのぅ」

「いいってことよ。俺様の槍にかかれば、首級の十や二十なんて朝飯前よぉ……ガッハッハ!」

なんて軽口を飛ばしたどうか、二人はえっちらおっちら三里(一里≒4キロ→12キロ)ばかり徳川本陣まで引き揚げて来たのでした。大変だったでしょうね。

この報告を受けた家康は満面の笑みで二人を出迎えます。

「おぉ、傳四郎。心配したが生きておったか。そして半蔵、大儀である!」

そして家康は半蔵を激賞して言いました。

「味方が一人討たれれば、その仲間や家族、知人友人など数千人が悲しんで力を落とす大損害。それを救った功績は、敵と七度槍を合わせた以上の重みを持つのだ」

敵を七人討ち取るよりも、味方を一人助ける方が大きな手柄。家臣を大事にした家康らしい言葉です。

「半蔵よ。此度の働きをもって、今後は『槍半蔵』と名乗るがよいぞ!」

「御屋形様より賜わりし二つ名、ありがたき仕合わせにございまする!」

以来、渡辺守綱は「槍半蔵」の異名を天下に轟かせたのでした。

終わりに

かくして槍半蔵となった渡辺守綱。元から槍にすぐれていた半蔵が、槍働きではない理由で槍半蔵の名を授けられたというのは面白いですね。

恐らくNHK大河ドラマ「どうする家康」では割愛されるでしょうが、こうした主従や仲間の熱い絆こそ三河武士の魅力。

他にも沢山エピソードがあるので、これから出てくるか楽しみですね!

※参考文献:

  • 『徳川実紀 第壹編』国立国会図書館デジタルコレクション
 

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