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「どうする家康」さらば狼、ありがとう我が友。第28回放送「本能寺の変」振り返り
せっかく織田信長(演:岡田准一)が本能寺で待ってて(わざわざ討たれようと警固を手薄にして)くれたのに、我らが神の君こと徳川家康(演:松本潤)と来たら……根回しのため堺へ。
あのですね殿、そういうのはとっくに済ませておきなさいな。殿が殺しに来てくれなくて、上様がガッカリしてしまったではありませんか。
一大謀叛を企むにしては、段取りが悪すぎるにもほどがあります。瀬名(演:有村架純)の死から3年間、一体何をしていたのでしょうか。
おまけになぜか家康を追って堺まで遊びに来たというお市(演:北川景子)にほだされて、信長暗殺をためらい結局断念する始末。つくづく覚悟がありません。
(しかし、家康が堺で根回しや鉄砲を調達するのって、トップシークレットなのでは……?)
そんなお優しい殿が好きですか?しかし君主たる者、その決断には常に幾千幾万の命がかかっているのです。いつまでも若君じゃあるまいし、謀叛を企んだり諦めたり、軽々しいにもあります。
これならたとえ無謀でも、挙兵に踏み切った明智光秀(演:酒向芳)の方が、よほど戦国武将としての覚悟が見られました。
……要するに「家康黒幕説をぶち上げてはみたものの、収まりがつかぬと見て、結局は通説に落ち着いた」と言ったところでしょう。
さぁ、それでは今週もNHK大河ドラマ第28回放送「本能寺の変」気になるトピックを振り返っていきましょう!
挙兵を前に、光秀の決意を秘めた歌
「時は今、天下(あめがした)治(し)る、五月(さつき)かな……」
光秀が口にしていたのは、信長を討つ決意。
表向きは「今まさに、サツキの花が美しく雨に濡れている」と詠みながら、実は
「今こそ好機。この五月に天下を治める(しる)のだ」という真意が込められていました。
ちなみにこれは光秀一人で詠んだものではなく、5月28日の連歌会で披露されたものです。
……廿八日西坊ニ而連歌興行
発句 維任日向守ときハ今あめ可下知る五月哉 光秀
水上まさる庭乃まつ山 西坊
花落る流れの末を関とめて 紹巴※『信長公記』巻之一五(天正一〇年壬午)(三十一)明智日向守逆心之事
※維任日向守(これとう ひゅうがのかみ)とは光秀の事です。
ちなみに連歌(れんが)とは和歌の五七五・七七をリレーしながら詠みつなぎ、一つの作品に仕上げるもの。
秘めたる野心を美しく包み隠す、いかにも光秀らしい作品に仕上がりましたね。
ちなみに西坊(にしのぼう)とは京都・愛宕神社にあった威徳院(いとくいん)の別名で、恐らくそこの僧職。紹巴とは連歌師として当世に名高い里村紹巴(さとむら じょうは)のことです。
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