
なんと古代人も糖尿病に!?古代の日本人は何をどう食べていた?木簡や古文書から読み解く当時の食文化【後編】
数々の再現実験
【前編】では、古代人が口にしていた食材に関する研究を紹介しました。
※【前編】の記事↓
古代人もやっぱりウナギ好き!古代の日本人は何をどう食べていた?木簡や古文書から読み解く当時の食文化【前編】
古代人は「何を」食べていたか古代の人々が「何を」食べたかを知るための手がかりは、意外と多くあります。今回は古代人の食事についての研究成果を前編・後編に分けて解説します。※合わせて読みたい!…
【後編】では、意外と多彩で豊かだった当時の食事内容と、それらがどのような問題を孕んでいたのかをみていきましょう。
古代人の食事について、最近は再現実験を取り入れた研究も成果を挙げています。
例えば、木には「鮨日干」「煮「塩」などの加工品目が記されていることが多いですが、アユの記述がある木簡には10月の日付が多いのです。
これは、アユは脂質が多く「油焼け」と呼ばれる脂質酸化が起きやすいため、脂肪分が抜けた秋の「落ちアユ」を使って保存性を高めたと考えられます。
実際に落ちアユを使い、沸騰した食塩水で煮たアユを4日間天日干しした「煮塩鮎」などを作ってみると長期保存できると分かります。
他にも、イノシシ肉の加工・保存、漬物や納豆製品の復元などの実験も研究者によって進められています。
こうして復元してみると、奈良時代の食文化は、食材や食べ方という意味では意外に豊かだったと分かります。