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「どうする家康」武田勝頼、見事なり…え?第22回放送「設楽原の戦い」振り返り:2ページ目
ホントに踊った「海老すくい」
……長篠の前竹廣村の弾正山に御陣をすえられけるに。御家人等武田の猛勢を聞おぢして。何となく思ひくしたる様を見そなはし。酒井左衛門尉忠次をめしてゑびすくひの狂言せよと命ぜらる。忠次かしこまりつと立て舞けるが。兼ての絶技なれば一座の者みなゑつぼに入て哄と笑ひ出しにより。三軍恐怖の念いつとなく一散してけり。……
※『東照宮御実紀附録』巻三「長篠役酒井忠次舞海老すくひ」
♪え〜び〜すくい、海老すくい……♪
死を覚悟した忠次が、みんなを励まそうとにわかに踊り出した海老すくい。
井伊万千代(演:板垣李光人。井伊直政)の「何この人たち。正気なのか?」とドン引きしていた様子が印象的でしたね。
社会人経験が長くなると「あぁ、ここはそういう職場なんだな」と合わせられるものですが、いきなり踊り出すのは驚きますよね。
しかし、武田との決戦を前に忠次が海老すくいを踊ったエピソードは『徳川実紀』に記されています。
三方ヶ原合戦(元亀3・1572年12月22日)で武田の恐ろしさが骨身に沁みていた徳川勢。家臣たちの緊張をほぐそうと、家康が忠次に海老すくいを命じたのでした。
♪え〜び〜すくい、海老すくい……♪
その絶妙な狂言が笑いのツボを直撃したのか、家臣一同大爆笑。すっかり緊張が解けて勇気が湧いてきたそうです。
死の恐怖さえ忘れて笑わずにはいられないとは、よほど滑稽だったのでしょう。
残念ながら、海老すくいの歌詞や振り付けは伝わっておらず、大河ドラマはじめ各地で演じられているものは後世のオリジナルです。
強さとユーモアを兼ね備えた酒井忠次。今後もその活躍に期待しています。
3ページ目 三段撃ちはもう古い?劇中で描写された「先着順自由連射」
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