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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 「どうする家康」おんな城主瀬名、望月千代と直接対決!?第20回放送「岡崎クーデター」振り返り

「どうする家康」おんな城主瀬名、望月千代と直接対決!?第20回放送「岡崎クーデター」振り返り:3ページ目

瀬名の越権行為について

さて、家康以上にみんなから慕われ、勝頼さえもその存在を危険視する「おんな城主」瀬名。

どういう訳かすべてをお見通しだった彼女は、かつて(第7回放送「わしの家」)一向門徒うごめく本証寺で出会った千代を呼び出します。

(そんな場面はなかったものの、両者に面識があり、かつ千代が武田の回し者だったことを見抜いたものとして話は進むのです。ついてきて下さいね)

あやしげなお社に梅の枝をお供えしたら、それが招待の合図。よくそんなシステムをご存じでしたね?さすがは瀬名、裏社会の事情にも精通していらっしゃるのでしょうか。

「お友達になりましょう」

千代に微笑みかける瀬名。うわー怖い、これから火花を散らす女のバトル!家康なんかじゃ及びもつかない、高度な諜報戦が繰り広げられる……と言わんばかり。

うーん。どこからツッコミを入れていいものか迷いますが、とりあえず今回は

「いくら暗愚な夫であろうと、主君に無断で、敵の諜報員と接触するんじゃありません」

別に「妻たるもの夫を立てろ」なんてアホなことを言いたいのではなく、スタンドプレイに走る勝手な行動が、組織の安全を脅かすからです。

ドラマなんかでたまによくある「これは私の問題。だから私一人で決着をつける!」などとカッコつけて独断専行に及ぶアレですね。

個人的な好みもあるのでしょうが、筆者は子供心に「つまらんヒロイズムに酔っているんじゃないよ」などと興醒めに感じていました。

劇中では「家臣たちが取りこまれるくらいなら」とか何とか、自己犠牲がましい言い訳をくっつけたところで、それがかえって組織を危うくすることに変わりはありません。

これまでどんな実績があるのか存じませんが(確かそんな場面はなかったはず)、自分の調略手腕をどれほど過信しているのでしょうか。

仮に千代と接点を持つなら、それは家康はじめ重臣たちと認識を共有した上で、徳川家全体における戦略の一環として行わなければ無意味どころか逆効果です。

恐らくこれが五徳に知られ、信長パパに「(生意気にも私を叱りつけた)瀬名が武田に内通してるの!」と密告されてしまう展開なのでしょう。可哀想ですが、まったく弁護のしようがありません。

だって密談の内容を知っているのは瀬名と千代だけだし、千代にしてみれば徳川の内部崩壊を狙う又とないチャンスを、見逃すはずがないのです。

少なくとも筆者が千代の立場であれば、あらゆる手段を尽くして瀬名の謀叛を吹聴するでしょう。恐らく皆さんもそうすると思います。

全体的に家康よりも強く賢く優しく(そして当然美しい)瀬名さんですが、それに驕って徳川家の支配権≒庇護下から逸脱するのであれば、待っているのは悲惨な末路。それが築山殿事件です。

「頼まれもしないのに、わざわざ悲劇のレールを敷きつめ、ゴール目がけてまっしぐら」な瀬名さんに、誰かツッコミを入れてあげて下さい。

4ページ目 解ってますか?「笑顔にする」と「嘲笑される」の違い

 

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