闇堕ち・清少納言を紫式部がボロクソ酷評していた証拠が…10月27日放送「光る君へ」史実をもとに振り返り:2ページ目
劇中の和歌について
今回は平安貴族らしく、多くの和歌が詠まれました。
藤原彰子「見るままに 露ぞこぼるる おくれにし 心も知らぬ 撫子の花」
【意訳】父を喪ったことさえ理解できず、無邪気にナデシコの花を手にとる幼い我が子を見ると、涙(露)があふれてしまう。
……最愛の一条天皇(塩野瑛久)を喪い、数年にわたるぎこちない期間を悔やんでいるかのような彰子。その姿が視聴者の胸を打ちました。
赤染衛門「誰にかは 告げにやるべき もみぢ葉を 思うばかりに 見る人もがな」
【意訳】この紅葉の美しさを、誰に伝えたらよいだろうか。共に愛でる人がいてくれたらよいのに。
紫式部「なにばかり 心づくしに ながめねど 見しにくれぬる 秋の月影」
【意訳】特に何を思っていた訳ではありませんが、なぜか涙があふれてしまいます。秋の月を見上げていると。
和泉式部「憂きことも 恋しきことも 秋の夜の 月には見ゆる 心地こそすれ」
【意訳】人知れず抱えている憂いも、恋しい気持ちも、秋の月は全てお見通し。そんな気分の夜でした。
……こちらは歌会で披露された作品たち。現代でも、多くの方々が共感するのではないでしょうか。
しかし時間の都合でやむを得ないものの、できればこれらをリアルなやりとりで詠んでくれると、より一層高揚するファンも多かったのではないでしょうか。歌会だと、どうしても「用意しました」感が否めないので……。