戦国時代の義将・石田三成が「大一大万大吉」に込めたその意味とは?
戦国時代、その利発さを天下人・豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)に見出され、彼の治世を支えた石田三成(いしだ みつなり)。
秀吉の死後も豊臣家に対する忠義は変わらなかったものの、真面目すぎて融通が利かず、周囲と対立。
そこをライバルの徳川家康(とくがわ いえやす)に付け込まれ、関ヶ原の合戦(慶長5・1600年)で敗死してしまうのでした。
しかし三成の純粋すぎる不器用さを愛する者は多く、最近では単なる敗者としてではなく、天下の義将として再評価されつつあります。
今回はそんな石田三成の信念を表現するエピソードの一つとして、彼のトレードマーク「大一大万大吉(だいいちだいまんだいきち)」に込められた意味を紹介したいと思います。
みんなが一人を、ひとり一人がみんなを大事に
大一大万大吉……何だか呪文か早口言葉みたいですが、その意味を一言にまとめると
「One for All,All for One(1人はみんなのために、みんなは1人のために)」
1人1人が(チームなど)みんなのために行動し、その1人1人をみんな(チーム全体)で助けるという助け合いの精神を言います。
最近スポーツなどでよく聞かれるスローガンですが、大一大万大吉はその和風バージョンと言ったところでしょうか。
漢字の細かな解釈については諸説ありますが「万人≒みんなが『一』人を『大』切にし、一人一人が『万』人を『大』切にすれば、天下は『大吉』となる」と読むと覚えやすいでしょう。
英語のOne for All,All for Oneとは順番が逆になるものの、鶏が先か卵が先かを論ずるよりも
「誰もがみんなのためを思い、みんなは誰も見捨てない社会こそ理想である」
というニュアンス(三成の信念)を心に留めておくことの方が大切と考えます。
どこまでも大真面目に公平・公正な世の実現を志した三成らしいトレードマークと言えるでしょう。