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2月7日は北方領土の日。なぜその日に制定されたの?その理由は日露外交史にあった

2月7日は北方領土の日。なぜその日に制定されたの?その理由は日露外交史にあった

終わりに

こういう話を紹介すると「しょせん世界は弱肉強食、強い者が弱い者から奪うのは当然だ」「文句があるなら、また戦争で奪い返せばいい」などと主張する自称リアリスト(現実主義者)がいますが、そのセリフは火事場泥棒や押込み強盗と何が違うのでしょうか。

現に、北方領土の日を制定するに当たって「ソ連が中立を破棄して攻め込んで来た日にすべきだ」「いや、北方領土を完全に奪われた日にすべきだ」などの意見もあったようで、いずれも「あの屈辱を忘れるな!」というメッセージが少なからず支持されていました。

しかし、それではソ連と同レベルであり、あくまでも平和的に返還を求め続ける意志を示すため、日本政府は国際的に北方領土の領有権が認められた2月7日に決定したのです。

北方領土の返還にはまだ長い道のりですが、国際社会にあるべき道義を平和的に示せるか否か、日本外交の真価が問われています。

※参考:
上原卓『北海道を守った占守島の戦い』祥伝社、2013年8月
相原秀起『一九四五 占守島の真実 少年兵が見た最期の戦場』PHP研究所、2017年7月
2月7日は「北方領土の日」-内閣府
北方領土問題の歴史|北方領土問題対策協会

 

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