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世界平和を願った「西郷どん」その(現代の政治家に足りない?)政治思想が凝縮された「西郷南洲遺訓」とは

世界平和を願った「西郷どん」その(現代の政治家に足りない?)政治思想が凝縮された「西郷南洲遺訓」とは:3ページ目

理想は死なず・西南戦争から「自由民権運動」へ

しかし、そうした理想主義は盟友であった大久保利通らの現実主義に淘汰され、政界から勇退した西郷ですが、維新の理想を失った明治政府の苛烈な政治に憤る士族らに担ぎ上げられ、一大叛乱(西南戦争、明治十・1877年)を起こします。

敗れ去った西郷は自決しますが、その精神は多くの志士たちに受け継がれ、世直しの闘争は武力から言論(自由民権運動)へと移行して行くのでした。

歴史の授業では、何だかよくわからない内に終わってしまった印象の自由民権運動ですが、実は維新の理想を取り戻すために立ち上がった熱い漢達(もちろん中には女性もいました)の繰り広げた、壮絶な言論闘争だったのです(が、それは又の機会に)。

「敬天愛人」の精神・真の国際協調を求めて

あれから百年以上の歳月が流れました。

理がなければ、かえって利がある(要約)」

かつて、そんな論陣を張って明白な侵略戦争を支持したメディアがありましたが、たとえどんな大国であろうとも、盟友なればこそ道義を全うする姿勢と覚悟こそ、国政を預かる政治家に求められる何よりの資質と考えます。

敬天愛人(けいてんあいじん:天を敬い、人を愛する)」

かつて「西郷どん」が唱えた国際協調・世界平和を少しでも実現するため、今を生きる私たちの課題として『西郷南洲遺訓』は伝えられているのです。

参考文献:山田済斎 編『西郷南洲遺訓 附 手抄言志録及遺文』岩波文庫、2009年7月6日 第57刷

 

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