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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 「どうする家康」最後はみんなで海老すくい…最終回放送「神の君へ」振り返り

「どうする家康」最後はみんなで海老すくい…最終回放送「神の君へ」振り返り:6ページ目

一、茶々の独り演説について

茶々「日ノ本か…ハハッ。つまらぬ国になるであろう。正々堂々と戦うこともせず、万事長きものに巻かれ、人目ばかりを気にし、陰でのみ妬み、嘲る。優しくて、卑屈なかよわき者たちの國に…。己の夢と野心のためになりふり構わず力のみを信じて戦い抜く!かつてこの国の荒れ野を駆け巡った者たちは…もう現れまい」

※NHK大河ドラマ「どうする家康」最終回放送「神の君へ」字幕より

……いきなり始まった独り演説。自分たちが滅びるから「日本はつまらぬ国になる」って……負け惜しみ以外の何物でもありません。

で、豊臣が滅亡して徳川の世になったからこそ、日本はつまらぬ国になった=現に日本はつまらぬ国だと言いたいのですね。制作当局は。

正々堂々と戦えなんて、いったいどこの戦国時代でしょうか。敵を欺き陥れるは武略のうちと亡き太閤殿下・豊臣秀吉(ムロツヨシ)から教わりませんでしたか?

家康が卑怯だと言うなら、それを出し抜く心意気こそ戦国乱世の気風ではないのでしょうか。

そもそもあなたがた母子が丸裸の大坂城にいつまでも引き籠もっているから、こんなことになるのです。

「共に乱世の夢を見ようぞ!」

なんてみんなを煽るだけ煽っておいて、秀頼も茶々も最前線で指揮を執った様子はありません。威勢ばっかりで自分は動かなかったからこそ負けたのでしょう。

もし「そんな事ないぞ!秀頼も茶々も正々堂々戦ったのだ!」というのであれば、ぜひともその様子をドラマ劇中で見せて欲しかったものです。

そういう「積み重ね」がなかったからこそ、全編を通して言うこと為すことちぐはぐで、その場の受け狙いに終始している印象がぬぐえないのではないでしょうか。

私たちの受信料や、一部血税も使われている日本の「公共放送」で、歴史上の偉人を使って当人が実際に言った確証もない日本ヘイトはいかがなものかと思います。

次回作「光る君へ」は令和6年1月7日(日)スタート!

しかし、振り返ってみると一年間あっという間でしたね。

何やかんや言いながら、皆さん楽しめたのではないでしょうか。

さて、劇中でもちょろっと出てきた『源氏物語』。令和6年(2024年)1月7日(日)からは新たなNHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりますね。

合戦がなくて残念がっている大河ファンも少なくないようですが、古式ゆかしき有職故実や典雅の世界に今から興味津々です。

『源氏物語』の作者として知られる紫式部(役名・まひろ)の生涯を、どのように描いていくのでしょうか。

来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」皆さんも平安貴族たちが織り成す王朝文化を楽しみましょう!

※参考文献:

  • 『徳川実紀 第壹編』国立国会図書館デジタルコレクション
 

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