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薩長同盟、実は「倒幕はしない」同盟だった!?真の目的と本当の敵は誰だったのか?

薩長同盟、実は「倒幕はしない」同盟だった!?真の目的と本当の敵は誰だったのか?:2ページ目

薩摩に頼った長州藩

まず、薩長同盟の条文はいくつかありますが、その主なものは「長州征伐が再開されれば薩摩藩は京と大阪に二千の兵を送る」「戦局が、長州の方が有利なら朝敵解除の工作をする」「長州の濡れ衣が晴れれば、両藩は国のために力を合わせる」などといったものです。そこに倒幕という文字はありません。

では、この同盟は一体何のために結ばれたのかというと、それは何より長州藩を助けることでした。

1863年に起きたクーデターによって、長州藩は京から追放されていました。その後に起きた蛤御門の変(禁門の変)は、長州藩が状況を打破するために起こしたものだったのですが、これによってかえって長州は朝敵として指定されることになり、いわゆる第一次長州征伐で軍事討伐の対象となっています。

これに対して長州藩は表向きは幕府に恭順したものの、幕府はなおも締め付けを厳しくしたので、藩はまさに崩壊寸前でした。

では、藩の存続のためにはどうすべきか。そこで頼ったのが薩摩藩です。

しかし薩摩藩はと言えば、この時点では幕府を倒すことまでは考えていませんでした。西郷隆盛が考えていたのは有力諸藩による連合政権を樹立することで、これをもって幕府に対抗し、幕府の影響力を削ごうとしていたのです。

彼が長州藩を放っておけなかったのは、もしもここで長州が崩壊してしまえば幕府の力が高まるおそれがあったからでした。

3ページ目 薩長同盟の「仮想敵」は

 

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