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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 「どうする家康」正信&半蔵の名コンビ始動、服部党の忍びたちの意地…第5回放送「瀬名奪還作戦」振り返り

「どうする家康」正信&半蔵の名コンビ始動、服部党の忍びたちの意地…第5回放送「瀬名奪還作戦」振り返り

穴熊、大鼠……服部党の忍びたちが見せた「プロの意地」

さて、瀬名奪還作戦を請け負った伊賀者たち。穴熊については未詳ですが、大鼠についてはモデルが実在するようです。

大鼠の二つ名で呼ばれた神谷権六(かみや ごんろく)。この時点ではまだ登場せず(後の高天神城攻めで活躍)、当然この時点では死んでいません。

せっかくならもっと活躍して欲しかった(と言うより、実在モデルがいるのだから当然活躍すると思っていた)のですが、あの口ぶりから早くも退場のようです。

次週予告では大鼠の娘(演:松本まりか)が「お前が次の大鼠(女大鼠)だ」と告げられていたようなので、一縷の望みも残されてはいないでしょう。

ところで、瀬名たちが軟禁されていた関口邸について、劇中では「表と裏に2人ずつ、中に2~3人」の見張りがいると言われていました。

合計6~7人とのことですが、伊賀者が28名いるなら強行突破できそうなものです(もちろん逃走ルートや手段などの確保もあるため、一度に全員ではかかれないでしょうが)。

しかし途中で「連れ出す人数を3人(瀬名と子供2人)から8人(関口氏純、巴、家臣2人に侍女たねを追加)にして欲しい」と無茶なリクエストが入ります。

そんなの無理だ……拒否する半蔵に対して、出世欲に目が眩んだ正信は「彼らも武士だから、内にも味方が出来たと思えば……」なんて言いくるめて強行してしまいました(どうも半蔵は武士という言葉に弱い設定みたいです)。

でも武士とは言っても、戦力になる可能性がある男性は氏純と家臣2人。しかも事前の打ち合わせもなく当日ぶっつけ本番で、どれだけ連携できるとも思えません。

更には大鼠が「出来るかどうかは考えない。やれと言われたことをやるまでだ」なんてカッコよげに言っていたものの、果たしてそれがプロフェッショナルなのでしょうか。

どんな無茶ぶりも「命令だから(やるにはやるけど、その結果については知らないよ。命じたお前の責任だよ)」と安請け合いするよりも、無理なものは無理と諫言できる方がよほどプロフェッショナルに相応しいと思うのですが……。

まして失敗すれば仲間が命を失う場面ですから、なおさら慎重であるべきところ。

現代でもよく「これくらいの事も出来ないで、それでもプロか!」なんて言う方がいるものの、出来ることはきっちりやり遂げ、出来ないことはきちんと見極めてこそのプロフェッショナルではないでしょうか。

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