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「どうする家康」ついに今川を見限った元康。駿府の瀬名たちはどうなる?第3回放送「三河平定戦」振り返り:2ページ目
水野信元との戦い、本田忠真「六度半の槍」
さて、三河平定に乗り出した元康の前に立ちはだかるのは、織田に与する母方の伯父・水野信元。戦場でもサイコロをもてあそぶチンピラ感が個人的に嫌いじゃありません。
元康はこの伯父としばしば戦いを繰り広げますが、それは今川と織田の代理戦争でもありました。せっかくなので、その中の一つを紹介します。
〇七日水野下野守信元ガ兵近郷ヲ侵シ掠ル故 神君再ビ刈屋ヘ発向セラル横根村石ガ瀬ニ於テ又合戦アリ先鋒石川伯耆守数正敵ノ隊長高木善次郎清秀ト槍ヲ合フ吾兵伴藤助先登シ奮戦ス清秀ガ為ニ討タル本多肥後守忠真植村荘右衛門忠安松井左近忠次槍ヲ合セ勇ヲ勵マス中ニモ肥後守一日に六度敵ヲ突崩シ疵ヲ蒙ル七度目ニ槍傷ニ立怺ヘケルガ敵進マズメ槍ヲ接ヘザレ■参河武士ノ吟味ニ六度半ノ槍ト称美シ世に其驍勇ヲ讃嘆スト云々
※木村高敦 撰『武徳編年集成巻之五』永禄四年辛酉年 二月大
時は永禄4年(1561年)2月7日、元康は刈谷(刈屋)へ出兵しました。先鋒は石川数正、敵の大将は高木清秀(たかぎ きよひで)。一番槍で立ち向かった伴藤助(ばんの とうすけ)が返り討ちにされてしまいます。
「者ども怯むな、押し返せ!」
劣勢を挽回するべく突撃したのは、本多忠真(演:波岡一喜)・植村忠安(うえむら ただやす。荘右衛門)・松井忠次(まつい ただつぐ。左近)たち。三河武士の意地を見せつけるべく奮戦する中、こと忠真の武勇は凄まじく、一日に六度も敵の軍勢を突き崩しました。
「本多殿、無理をなさるな!」
七度目の突撃で重傷を負ってしまった忠真はやむなく引き上げましたが、敵は恐れて追って来ませんでした。
これを本多忠真「六度半の槍」と呼んで敵味方ともに賞賛の声が贈られたそうです。
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