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「鎌倉殿の13人」ばかにするな!坂東武者を奮起させた尼将軍の怒り。第47回放送「ある朝敵、ある演説」振り返り

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伊賀光季の覚悟・京都守護の重責

一方の鎌倉では、上皇挙兵≒光季討死の報に動揺が走りました。

のえ「兄を見殺しにしたのですか!」

二階堂行政「婿殿(義時)は、こうなると分かっていた(攻め殺されることを百も承知で光季を京都守護にした)のか!」

兄・光季を喪い、義時に猛抗議する“のえ(演:菊池凛子。伊賀氏)”と祖父の二階堂行政(演:野仲イサオ)。何も答えない義時の非情さが際立つ場面ながら、これはいささかスジ違いではないでしょうか。

見殺しも何も、5月15日に京都で勃発した事件が、最速で伝わったのが4日後の5月19日。現代のようにメールや電話で連絡を取り合っていた(現地の状況を把握できていた)訳でもなし、義時だって寝耳に水のはずです。

そもそも京都守護職とは何でしょうか。一日警察署長じゃあるまいし、いざ有事になれば一命に代えても治安維持の任務をまっとうする責任があります。つまり「こうなることも常に想定しておくべき」立場です。

また、光季が京都守護として上洛したのは承久元年(1219年)。誰が「2年後に攻め込まれる」なんて予測できるのでしょうか。“のえ”さんなら出来るのでしょうか。

予測できないからこそ、光季も常に備えていた筈です。そうでなければ、藤原秀康(演:星智也)や三浦胤義(演:岸田タツヤ)の大軍を相手に善戦などできなかったでしょう。

そんな光季だからこそ、義時は彼を京都守護に抜擢したのでした。都合のよい時はやれ出世だ何だと喜びながら、いざ討死して逆恨みするのは、やはりスジ違いと言わざるを得ません。

とは言え、義時も兄を喪った悲しみは理解できように、あの邪険な態度では怨みを買うのも無理もないでしょう。できれば光季と“のえ”兄妹の絆をはぐくむシーンを挟んでおくとよかったかと思います。

3ページ目 自分さえ犠牲になれば…ナルシズムに血迷う義時

 

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