武将・茶人として、徳川家康から重用された細川忠興(三斎)。京都大徳寺「高桐院」に色濃く残る忠興の面影を訪ねる。【どうする家康】:2ページ目
文武に優れた武将が残した茶禅一致の庭
「高桐院」の庭や茶室には、勇猛な武将であり、千利休七哲の一人として極め、茶の湯や武具のデザインなど卓越した美意識をもつ忠興(三斎)のセンスを随所に垣間見ることができます。
客殿の南庭は、中央に石灯籠が一基のみ配された長方形の枯山水庭園で、俗に「楓の庭」と呼ばれています。楓をはじめとした多くの草木により深山幽谷の趣が感じられ、秋になると紅葉が苔の緑を覆い尽くす情景は、美しいの一言。客殿の奥から眺めるとまるで一幅の絵のようです。
茶室鳳来の付書院から見える西側が「書院露地庭」で、奥まった北側は茶室松向軒の「草庵露地庭」の様相を呈します。茶室松向軒は、秀吉の北野大茶会の際に造った茶室を移築したといわれる二畳台目の茶室で、「三斎好み」と伝えられます。