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実は冬の季語!?寅さんの口上でおなじみ「結構毛だらけ猫灰だらけ」…ってそもそも何? :2ページ目
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岩手県花巻には口元が黒い郷土玩具も
岩手県花巻には、江戸時代の享保年間(1716~1735)に作り始められたという「花巻人形」と呼ばれる郷土玩具があります。この地方では灰猫を「釜猫」と呼んでいたようで、様々な花巻人形の一つの種類として「釜猫」が古くから作られてきました。特徴は、顔から竈に突っ込んだように口の周りがぐるりと黒いところ。髭の濃い男性のようでなんだかおかしみがあります。
地方によっては「へっついねこ」と呼ぶことも。宮城県では竈猫(へっついねこ)という地酒まであります。いずれも寒い地方で竈猫はなじみのある存在だったようですね。
「猫洗う」は春の季語
「灰猫」「竈猫」が冬の季語であるのに対して、春の季語になっているのが「猫洗う」です。冬の間、毎日のように煤だらけになる猫が、ようやく竈に籠らなくなったのでいよいよ洗うか、という春を感じさせる季語です。
あの小林一茶(1763~1828)も一句詠んでいます。
猫洗ふ ざぶざぶ川や 春の雨
甕に溜めた貴重な飲み水ではなく、近所の河原でざぶざぶ洗われているさまが目に浮かびますね。いずれも人と猫が古い付き合いだということがよくわかりますね。
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