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もうぜ〜んぶ神様!縄文人のアニミズム信仰と現代人のつながり

もうぜ〜んぶ神様!縄文人のアニミズム信仰と現代人のつながり

アニミズムの「状況証拠」

縄文時代の人々の宗教観を想像させるものの代表格として、「土偶」が挙げられます。

皆さんも、土偶は写真などで見たことがあると思いますが、そのほとんどは奇怪な姿かたちをしています。

しかしよく見ると、身体のパーツから女性の姿をかたどったものだと分かるものが多くあります。これは、出産についての神秘的な力に対する信仰を表現したものと考えられています。

他にも、当時の人々の宗教観を想像させるものはたくさんあります。

男性の象徴をかたどったと思われる「石棒」が発掘された例もありますし、また土偶がわざと壊されていたことから、人形を人の身代わりにする呪術だったのではないか、と推測する研究者もいます。

他にも、発掘された土偶や人骨から推測すると、当時の人々はなんと頭にくしを刺し、耳、鼻、口の周りに飾りをつけたり、首、胸、腰に動物の歯や玉類をつけて、さらに刺青までしていたと考えられています。

こうした装身具や身体への直接的な装飾は、やはり神秘的な力によって悪い霊から身を守るためのものだったと考えられています。

また、こうした文脈で見ていくと、他の発掘物もこうしたアニミズム的、呪術的な見方で読み取ることが可能になります。

例えば、集団で祭りをした場所とされている「配石遺構」。

これはいろいろな石を並べたり組んだりしたもので、代表的なものは秋田県の大湯や長野県の上原などがあります。主に東日本で数十カ所発見されていますが、共同墓地だったという説もあります。

子供の頃に教科書で習った「屈葬」もそうです。

縄文時代の人々は、人が死ぬと、遺体の手足を強く折り曲げて埋葬することが多くありました。

これはもちろん理由は不明で、例えば葬儀における労力の軽減などの合理的な理由をつけることも可能です。一方で、死者の霊が生者に危害を及ぼさないようにするためとか、胎児の姿勢に死者を戻すことで生まれ変わりを祈願するためなどの説があります。

3ページ目 アニミズムと現代人の宗教観

 

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