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卑弥呼のモデルとされる「倭迹迹日百襲姫」とはいったい誰?正体を日本書紀の記述から推測【後編】

卑弥呼のモデルとされる「倭迹迹日百襲姫」とはいったい誰?正体を日本書紀の記述から推測【後編】

箸墓伝説が語ることとは?

この伝説は、邪馬台国の鬼道、すなわち卑弥呼と同様の祭祀を行うシャーマンだった倭迹迹日百襲姫が、ヤマト政権が出雲系の新たな神を祀り始めたために、排除されてしまったと考えるのが妥当ではないでしょうか。

このように考えると、倭迹迹日百襲姫の正体は卑弥呼か、その宗教的な権威を引き継いだ2代女王の台与となるのです。

ただ、崇神天皇の在位は、3世紀後半から4世紀前半のため、3世紀中頃に没した卑弥呼では時代が合いません。そうすると、倭迹迹日百襲姫は台与の可能性が強くなります。

『日本書紀』の倭迹迹日百襲姫にまつわる伝説は、ヤマト政権の黎明期、宗教的権威を失うことによって起きた、邪馬台国の終焉を意味していると考えられるのではないでしょうか。

2回にわたり、ご愛読をいただきありがとうございました。

 

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