せんば山のタヌキの正体は徳川家康!?童唄「あんたがたどこさ」にまつわる異説を紹介:3ページ目
熊本の「せんば」と、川越の「仙波山」
さて、唄でのやりとりは続きます。
甲「(せんば、と言えば)仙波山にはタヌキがおってね、それを猟師が鉄砲で撃ってね……(以下略)」
これ以降、甲がベラベラとおしまいまで喋り続けますが、これは子供が何か、自分の知っているワードに接したときに「僕知ってるよ。えーとね、えーとね……」などと、訊いてもいないのに喋り出すのと同じです。
つまり「せんば」という単語にピンときた子供が、自分の知っている「仙波山」について、先日見たのであろうタヌキと猟師の話をしたがったのでしょう。
「ちょうど肥後の『せんば』から来たおじさんも、カッコいい鉄砲を持っているし……」
異説では甲を「川越藩領に住む近所の子供」、乙を「薩長軍兵士(肥後国出身)」としているのです。
しかし、史実的にはそんな事があったのでしょうか。