
遊女を身請けする相場は?鳥山検校(市原隼人)は何者?ほか…【大河べらぼう】2月23日放送の解説&振り返り:6ページ目
「逆襲の『金々先生』」へ忘八らが逆襲!今週のカタルシス
……売女(ばいた)は悪(にく)むべきものにあらず、ただ悪むべきは、かの忘八と唱うる売女業体(~ぎょうてい)のものなり。天道に背き、人道に背きたる業体にて、およそ人間にあらず。畜生同然の仕業、憎むに余りあるものなり……
※『世事見聞録』より
日ごろ遊女は買う(であろう)くせに、その遊女を提供している吉原遊廓は賎業(いやしい職業)と軽蔑する江戸市中の本屋たち。
令和の現代でも根強く蔓延る職業差別……まぁそれは又の機会に。
さて。蔦重がかき集めた吉原ネタの集大成たる『金々先生栄花夢』ですが、忘八らを敵に回しては今後取材が出来ません。
しかし駿河屋さんも優しいですね。やはり「よその方」だから階段から投げ転がすくらいで済ませたのでしょう。
ここまでの侮辱を受けたら、何なら二階から投げ落とすなり、殴り蹴りしたくもなろうと言うものです。
さぁ鶴屋たちは無事に大門を潜れるのか……楽しみにしています!
ところで鶴屋は何でまぁここまで吉原者を蛇蝎の如く嫌うのでしょうか。もし筆者なら、最初から交渉の余地すら与えません。
彼には彼なりの思いや過去があり、今後それが明かされることもあるのでしょうか。気になるところです。
第9回放送「玉菊燈籠(たまぎくどうろう)恋の地獄」
蔦重(横浜流星)は瀬川(小芝風花)の身請け話を耳にして、初めて瀬川を思う気持ちに気づく。新之助(井之脇海)はうつせみ(小野花梨)と吉原を抜け出す計画を立てるが…
※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
空蝉(うつせみ)とはセミの抜け殻。かの『源氏物語』で主人公・光源氏を拒絶するため逃げ出した女性の二つ名です。
吉原遊廓と言えばこの世の地獄、どんな遊女も一度は逃げたいと思ったことでしょう。
しかし実際に逃げた者には厳しい制裁が加えられ、悲惨な末路をたどることになります。
今週に続き、来週も吉原遊廓の地獄巡りを堪能しましょう。
ちなみにサブタイトルの玉菊燈籠とは、かつて亡くなった名妓を偲ぶ吉原の風習。嫌な予感しかしませんが、果たして……?