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雨がたくさん降るのに6月はなぜ「水無月」と呼ばれたのか?そのほか6月の別名も一挙紹介:3ページ目
田無月(たなしづき)
これも「田んぼがない月」ではなく「田んぼの月」つまり「田んぼの世話に手がかかる月」を意味しています。
暑くなれば田んぼの水量に気をつかい、ワサワサ生えてくる雑草どもを引っこ抜き……私たちの食べているお米が、お百姓さんの苦労によって得られることを実感できますね。
旦月(たんげつ)
「田の月」が訛って「たんげつ」になったとも、夜明けを意味する「旦」をジメジメと暗い梅雨が明ける(またはそれを願う)様子に当てたなどとも考えられます。
また、旦の字をよく見ると、田から真ん中のタテ棒を抜いて手前(下)に横たえている形なので、田んぼの仕切りを抜いて水を行き渡らせたのかも知れませんね。
鳴神月(なるかみづき。鳴雷月)
神とは雷(かみなり。神鳴り)のことで、梅雨明けに雷がよく鳴ることから、このように呼ばれたと言います。
同じ意味で「神鳴月」などとも呼ばれ、激しい雷雨の後にやって来る、夏本番が楽しみですね。
葉月(ようげつ)
あれ?葉月(はづき)って8月の旧称じゃ?……と思ってしまいますが、戦国時代末期の国語辞典『易林本節用集(えきりんほん せつようしゅう)』では「ようげつ」と読んで6月を指しています。
これは「雨後の筍」のように梅雨が明けて草葉がゾワゾワと生えてくるようすを表わしたのでしょうか。
林鐘(りんしょう)
古代中国の音律(十二律)の8番目に当たる音で、考え方としては先ほど紹介した建未月と同じく「(旧暦11月から数えて)8番目の月」を意味します。
とてもお洒落なネーミングではありますが、ここまでひねりを加えてしまうとハイレベル過ぎて、ちょっと鼻についてしまうかも知れません。
他にも色々な呼び方があるので、調べて気に入ったものをメールや手紙などに取り入れてみると、日本の季節感を味わえることでしょう。
※参考文献:
『日本国語辞典 第18巻』小学館、1976年4月
角川書店 編『俳句歳時記 第五版 夏』角川書店、2018年5月
伊宮伶『異名・別名の辞典』新典社、2003年7月
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