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「お前の母ちゃんでーべーそ」はなぜヘソなのか?その由来となった最大級の罵倒語「おやまき」とは?:2ページ目
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その「まく」とは何か調べてみると、一説に「枕(ま)く」とあり、文字通り「枕にする=一緒に(≒性的な意味で)寝る」行為を意味します。枕の語源が「(布や衣類などを)捲くり込む」こともあり、相手を抱き込むニュアンスも含んでいます。
要するに近親相姦であり、親不孝な「人でなし」として、これ以上の罵倒はないでしょう。
同じ意味で「ははまき(母枕き)」という罵倒語も使われており、英語で言うところの「Mother -f□□ker」に相当します。
まとめ
さて、「おやまき」「ははまき」という罵倒語は分かりましたが、それがなぜ「出べそ」につながるのか……その意(こころ)は「臍は母とつながって≒通じて(姦通して)いる」からです。
人間は哺乳類なので、生まれる時は誰でも母親と臍の緒でつながっています。それを「母親と姦通している」という悪口として、オブラートに包んだ結果が「出べそ」として現代に伝わっているのでしょう。
「ばか!あほ!まぬけ!お前の母ちゃんでーべーそ!」
これまで微笑ましく聞いていた他愛ない悪口に、そんな由来があったとは驚きでした。
※参考文献:
笠松宏至ら『中世の罪と罰』講談社学術文庫、2019年11月
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