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恋?それとも戦略?枕草子のやりとりを探る:歌人で美男子 藤原斉信 編
主家の記録としての「枕草子」
平安中期の随筆「枕草子」は、中宮定子に仕えた清少納言の筆による作品です。
ずっと聞けなかった…。で、枕草子の「枕」とは結局どういう意味なんです?
平安時代の随筆「枕草子」[caption id="attachment_75928" align="aligncenter" width="660"] 「枕草子絵詞」(部分)[/caption]…
随筆とはいわば日記のようなものでもあり、清少納言が思ったこと、見聞きしたことを綴っている作品。
ただ、この作品を単純に清少納言の「私的な日記」と捉えることはできません。以前紹介したように、清少納言に紙を渡して「枕草子」執筆のきっかけを作ったのは主人の中宮定子。作品が定子サロンでのできごとを中心に展開することからも、この作品が主人・定子の記録であることは間違いないでしょう。零落の一途をたどりながらも、定子の輝かしい姿を記録する、そういう役割があった作品なのです。
さて、「枕草子」には作者である清少納言と数々の男性貴族とのやりとりも描かれています。恋の駆け引きともとれるような内容も多いですが、上で紹介したような作品制作意図をふまえて読んでみると、「どっちなの?」と疑問に思うでしょう。
果たして恋なのか、それとも定子さまを持ち上げる要素のひとつだったのか……。
それでは紹介していきましょう。
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