これまたピンポイント!葛飾北斎の「北斎漫画」にスポット当てた「北斎漫画~森羅万象のスケッチ」開催
江戸時代の人気浮世絵師・葛飾北斎。北斎の代表作「富嶽三十六景」を始めとする多色刷りの鮮やかな浮世絵作品の他に、今でもなおファンを魅了し続ける作品があります。それが「北斎漫画」という絵本。
北斎漫画は1814年(文化11年)に初編から1878年(明治11年)に発行された十五編までの全十五編からなるスケッチ画集。スケッチ画集ですが北斎の才能が随所に感じられるものとなっており、人物や動物の仕草ひとつひとつに北斎の描写力の高さが垣間見れます。
そんな、今でも人気の北斎漫画にスポットを当てた展覧会「北斎漫画~森羅万象のスケッチ」が東京・原宿の太田記念美術館で開催されます。
人気浮世絵師・葛飾北斎の展覧会といえどもスケッチ画集である北斎漫画にスポットを当てるという、実にニッチな展覧会が開催できるのは浮世絵の膨大なコレクション数を誇る太田記念美術館ならではですね。
何気ない描写から垣間見る才能や動植物の観察力の高さなどはスケッチ画からも十分に感じ取れることでしょう。浮世絵ファン、北斎ファンはもちろんのこと、イラスト、アニメーション、デザイン関係に携わる方々にとっても貴重な展覧会になりそう。
実は北斎漫画はあるスケッチ画集にインスパイアされて製作したと言われています。それが以前Japaaanでも紹介した、北尾政美の略画式というかなーり可愛いスケッチ画集。
ゆるカワ炸裂だ〜!葛飾北斎に真似された男、鍬形蕙斎の「鳥獣略画式」の可愛さよ!
展覧会「北斎漫画~森羅万象のスケッチ」では展示されませんが、北尾政美の略画式もとっても魅力的な作品なので是非チェックしてみてください。
北斎漫画には弟子への指南書として描いたという側面もありますが、北斎による指南書で北斎漫画ほど知られていないスケッチ画集に「略画早指南」というものもあります。北斎漫画よりもより指南書の要素が高いスケッチ画集となっています。
葛飾北斎の先生っぷり炸裂!北斎漫画ほど知られてない「略画早指南」はガチ教科書
鮮やかな錦絵とは違うスケッチ画集「北斎漫画」ですがその中には躍動感、ユーモア、描写力の高さなど、北斎という人物の画力を十二分に楽しめる内容になっています。
展覧会「北斎漫画~森羅万象のスケッチ」は2016年7月1日(金)~7月28日(木)の期間、東京・原宿の太田記念美術館で開催されます。