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平安時代の貴族たちの日記『御堂関白記』『小右記』『権記』タイトルはどのようにつけられた?【光る君へ】

平安時代の貴族たちの日記『御堂関白記』『小右記』『権記』タイトルはどのようにつけられた?【光る君へ】:3ページ目

藤原行成『権記』とは?

『権記』のタイトルは、藤原行成の極官(ごくかん。生涯最高官職)である「権」大納言に由来します。

別名を『権大納言記』『行成卿記(こうぜいきょうき)』とも言いました。行成の名前を「ゆきなり」でなく有職読みの「こうぜい」とするのが奥ゆかしいですね。

行成が一条天皇の御代に蔵人頭としてそば近く使えた様子が詳しく記録されています。

当時の政権運営や朝廷の儀礼などを知る上で一級史料として重宝されてきました。

道長の全盛期を知る上でも絶好のテキストとなっているので、ぜひ読破したいですね。

終わりに

今回は平安貴族たちの日記について、タイトルの由来を紹介してきました。

日記のタイトルは書いている当人たちではなく、周囲や後世の人々がつけたので、そのセンスは様々です。

ところで男性たちの日記に比べ、女性たちの日記はストレートなタイトルが多いように感じます。

有名なものでは『紫式部日記』や『和泉式部日記』、『讃岐典侍日記(さぬきのすけにっき)』など……多くが人名(女房名)+日記です。

右大将道綱母『蜻蛉日記(かげろうにっき)』や菅原孝標女『更級日記(さらしなにっき)』などは少し洒落ていますが、これは当人がつけたものでした。

もしかしたら彼女たちも伝わっていないだけで、実は自分の日記に個性的なセンスの光るタイトルをつけていたのかも知れませんね。

 

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