生首事件は史実、花山天皇の呪いの意味、北の方とは?大河ドラマ「光る君へ」3月17日放送振り返り:2ページ目
一条天皇(懐仁親王)の即位式で起きた生首事件
寛和2年(986年)8月30日、懐仁親王が即位しました。後の一条天皇です。
即位礼の当日、天皇陛下の玉座である高御座(たかみくら)に生首が乗っているのを発見しました。
このエピソードは平安末期の歴史物語集『大鏡』に記述があります。
……前の一条院の御即位の日、大極殿の御装束すとて人々あつまりたるに、高御座のうちに、髪つきたるものの頭の、血うちつきたるを見つけたりける、あさましく、いかがすべきと行事思ひあつかひて、かばかりのことを隠すべきかとて、大入道殿に、「かかることなむ候ふ」と、なにがしのぬしして申させけるを、いと眠たげなる御けしきにもてなさせ給ひて、物も仰せられねば、もし聞し召さぬにやとて、また御けしき賜はれど、うち眠らせ給ひて、なほ御いらへなし。……
※『大鏡』太政大臣道長雑々物語より
劇中では道長が毅然と対処していましたが、こちらでは兼家が毅然と……あれ、寝てます?
「おい、どうする?」
「兼家様が寝ていらっしゃるのに、我々の判断で事を大きくできないな」
「仕方ない。知らなかったことにして、そのまま進めてしまおう……」
とか何とか言ったかどうか、生首はなかったことにされたのでした。
迷信に振り回される人々に嫌気が差していたのでしょうか。道長は玉座の血を袖で拭って「穢れてなどおらぬ」と断言します。
確かに赤い服ですが、血の色は後でハッキリでてしまうので、別の布で拭った方がよかったのではないでしょうか。
3ページ目 花山法皇「おんしゅちりきゃらろはうんけんそわか」の意味