生首事件は史実、花山天皇の呪いの意味、北の方とは?大河ドラマ「光る君へ」3月17日放送振り返り:6ページ目
そんなになりたい?北の方とは
まひろが道長にせがんだ北の方(きたのかた)。話の文脈から正室であると分かりますが、実際そんなにいいもんだったのでしょうか。
最愛でありながら、生まれゆえに正室にはなれない。そう聞いて『源氏物語』のメインヒロイン・紫上(むらさきのうえ)を思い出した方も多いと思います。
本作においては、道長と相思相愛ながら結ばれることのない自らの哀しみを、紫上に託すのかも知れませんね。
(紫式部が自身を託しているヒロインには諸説あり。恐らく空蝉?)
さて、それはそうと、なぜ正室を北の方と呼ぶのでしょうか。南の方とか東の方ではダメなのでしょうか。
北の方という言葉の由来として有力なのは、平安時代の寝殿造りでは正室を北対(きたのたい)に住まわせることが多かったからという説。
では、なぜ北なのでしょうか。南側の方が日当たりもよくて最高な気もしますが……。
これは「君子南面す」という思想に基づくもので、先ほどの北斗七星もそうであるように、北は最上位の方角とされました。
だから実態はともかくとしても、正室は最も大切な存在=北の方とされたのです。
第12回放送「思いの果て」
さて、惹かれ合いながらも反発してしまった二人。何となく、物語を盛り上げるために無理やり聞き分けのないキャラにされてしまったような違和感を覚えました。
次週の第12回放送は「思いの果て」、歴史的にはそう大きな動きもなく、二人をとりまく結婚事情が描かれるのでしょう。
物語の中では一条天皇の即位間もない寛和2年(986年)、道長が源倫子(黒木華)に婿入りするのは翌永延元年(987年。寛和3年)ですから、次回はまだ結婚には至らないものと予想します。
まひろにも縁談が来るようですが、果たしてどんな展開を迎えるのか、次週も楽しみですね!
トップ画像:大河ドラマ「光る君へ」公式ページより