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鶴翼の陣で武田信玄を迎え撃った徳川家康。対する信玄は……戦国時代の陣形を紹介【どうする家康】:3ページ目
【八陣】雁行(がんこう)の陣形
雁(がん、かり)が隊列を組んで飛ぶような陣形。敵に対して斜めに構え、味方の後詰(ごづめ。援軍)を待つ時に用います。
速やかに即戦力を組める代わり消耗戦には弱く、戦闘が長引くと不利になりがちです。
横陣(おうじん)
部隊を横列に並べる陣形の基本。むしろ陣形と言えるのでしょうか。広範囲に対して攻撃しやすく、正面の敵に対してある程度の防御力が見込めます。
一方で、中央を突破されると左右が分断され、各個撃破されてしまうもろさは否めません。
縦陣(じゅうじん)
今度は部隊を縦列に並べましょう。攻撃範囲は狭い代わり突破力には優れます。ただし側面からの攻撃に弱いことはお察しの通りです。
車懸(くるまがかり、車掛)の陣形
円陣を組んだら車輪のように回転させ、敵陣に対してヒット&アウェイ(攻撃したらすぐ逃げる)を繰り返す陣形もしくは戦法です。
上杉謙信がよく用いたとされ、常に移動し続けることで寒い地方でも身体が温まり、また攻撃⇒移動しながら休憩⇒また攻撃というサイクルで兵士が疲れにくいと言われます。
上手くいったら非常にエモーショナルな戦闘場面が展開されるであろうものの、江戸時代の創作説もあるようです。
終わりに
以上、戦国武将たちが用いたとされる陣形などを紹介してきました。
ここまで聞いて「あれ?家康の軍勢って信玄より少なかったんだよね(通説では、家康8,000に対して信玄30,000)?なんで多数の武田勢に対して鶴翼の陣を採用したの?」という疑問が湧いてくるのではないでしょうか。
逆に信玄は少数で大軍を突破する魚鱗の陣形。両者が逆ならまだ解るのですが……果たしてNHK大河ドラマ「どうする家康」では陣形についてどう描写されるのか、第17回放送「三方ヶ原合戦」が楽しみですね!
※参考文献:
- 『三河物語』国立国会図書館デジタルコレクション
- 乃至政彦『戦国の陣形』講談社現代新書、2016年1月
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