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「鎌倉殿の13人」北条ファミリー最後の団らん…第37回放送「オンベレブンビンバ」振り返り

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そうだそうだ、みんな武衛だ……和田義盛邸にて

ぎこちない新婚生活に戸惑う実朝は、御台所の千世(演:加藤小夏。坊門姫)がせっかく小骨をとってくれると言うのに魚を残し、癒しを求めて和田義盛(演:横田栄司)邸へ。

魚の小骨が嫌いなのは亡き父・源頼朝(演:大泉洋)ゆずりなのでしょうが、今の鎌倉殿だったら、そもそも小骨を除いた状態で提供されそうなものです。

(政子が「小骨くらい、自分でとりなさい!」と教育しているのかも知れません。彼女ならしそうですね)

「暗くならない内に帰って来なさいね」

以前に夜遊びが大騒ぎとなったこともあって、乳母の実衣(演:宮澤エマ。阿波局)が釘を刺し、嫡男の阿野時元(演:森優作)が同行。乳兄弟として、実朝に思うところがあるようです。

さて和田邸では始まりました義盛のホラ話し。かつて挙兵した頼朝公に加勢すべく、2万騎の軍勢で駆けつけたが、頼朝公は遅参を叱責……ってそれ、上総介広常(演:佐藤浩市)じゃありませんか。

たちまち巴御前(演:秋元才加)や八田知家(演:市原隼人)にツッコミを入れられ、挙句お尻を叩かれてしまいます。

そんないつもの通りドタバタと楽しいひとときの帰り際、義盛が実朝に「お願いが」と申し出ました。

「まさか、このタイミングで上総国司の要望(※『吾妻鏡』では承元3・1209年5月12日)か?早すぎでは?」と思ったら、何と「親しみを込めて、武衛(ブエイ)と呼んでいいですか」とのこと。

武衛とは兵衛佐(ひょうゑのすけ)の唐名、要するに佐殿≒頼朝の敬称でした。かつて上総介広常が「唐では親しい間柄の者をそう呼ぶ」と嘘を吹き込まれた、あの武衛です。

しかし、そんな事情を知らない知家などが「(鎌倉殿を兵衛佐扱いするとは)何と無礼な」と怒るのも当然。いまだ真相を知らない義盛がキョトンとしているところへ、やってきたのが嘘を吹き込んだ張本人。

「そうだそうだ、みんな武衛だ……」

三浦義村(演:山本耕史)の投げやりなセリフと共に、実朝を名越館(時政の館)へ連れ去ってしまうのでした。

しかし、護衛を命じられた知家はなぜ命令を確認もせず、口頭だけで実朝の護衛を引き渡してしまったのでしょうか(そりゃお話しの都合ですが、その場で当局に確認などとれないのだから、通達文書などは必要でしょう)。

それはそうと、和田義盛を上総介広常にかぶせてくるのは、きっと「そういう最期」の伏線を張っているのだと考えられます。

かつて義時が何かにつけて広常と親しくなり、最後は非情に見捨ててしまう。裏切られて逃げ惑った広常が義盛なら、何もできず涙を流した義時は実朝。そして広常を処断した頼朝が義時、広常を斬った梶原景時(演:中村獅童)には三浦義村が当てられるのでしょう。

ちなみに『吾妻鏡』における義盛の最期は、寵愛していた四男の和田朝直(ともなお)が討たれたことで、泣き叫んで駆けずり回ったと伝えられます。

「武衛、武衛、武衛……!」

実朝をそう呼び求めながら、義時の前で義村に殺されていく義盛の姿が目に浮かぶようです。

5ページ目 北条ファミリー・最後の団らん

 

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