「鎌倉殿の13人」北条ファミリー最後の団らん…第37回放送「オンベレブンビンバ」振り返り:3ページ目
餅をペタペタ、時政と義時をつなぎたいトキューサ
すっかり蚊帳の外にされた上、義時に「引き際を考えていただきたい」「父親だから言っている」「これから先は分からない(=粛清も視野に検討する)」と引導を渡され、不貞腐れる時政。
餅を持って来た北条時房(演:瀬戸康史)に「褥(しとね)を持ってきてくれ。もう使うこともないだろうから」といじけてしまいます。
褥とは布団など夜具を指し、御所に泊まり込んで仕事をする上で必要なものでしたが、もう御所に泊まるどころかまともに仕事もさせてもらえません。
しかし時房は「北条は一つです」と餅を差し出します。どっちが固いか柔らかいか、さんざんペタペタ確かめた餅を。結局、餅は時房が二つとも平らげたのでしょうか。
ところで余談ながら、時房の子供たちはやがて家督継承をめぐって分裂。激しい争いが繰り広げられたことを考えると、「北条は一つ」というセリフが重く感じられます。
父をないがしろにするのはよくないが、兄の気持ちも分かって欲しい。そんな時房の思いが、時政に最後の団らんを思い立たせたのではないでしょうか。
後鳥羽上皇の似顔絵大会
一方そのころ、御所では後鳥羽上皇(演:尾上松也)によるひとり似顔絵大会が開催中。傍らには平賀朝雅(演:山中崇)・中原親能(演:川島潤哉)・慈円(演:山寺宏一)が盛り上がります。
破られていたのは藤原兼子(演:シルビア・グラブ)の似顔絵。確かに特徴をよくとらえてはいますが、もうちょっと美人に描いてあげなさいな。わざとやって(面白がって)いるでしょう。
せっかく上皇陛下お手ずから描いて下さったのに、大人げない……なんてすましていた慈円ですが、いざ自分が描かれると、あろうことか引ったくり丸めてしまいます。
そんな談笑とは裏腹に、上皇は鎌倉の政情に言及。着々と勢力が削がれていき、しかも北条が割れている。そこへ朝雅が次の鎌倉殿に……なりたいはずがありません。
源仲章(演:生田斗真)にそそのかされて北条政範(演:中川翼)を毒殺したものの、いざ鎌倉の現実に直面すると、恐ろしくて鎌倉殿などとてもとても……「それがようございます」親身になって心配する親能の姿に、鎌倉の良心が感じられる一幕でした。