「鎌倉殿の13人」小四郎、武衛、ブエイ… 上総介広常ロス続出中の第15回「足固めの儀式」振り返り:3ページ目
御家人たちの心をつかんでいく政子の態度
頼朝が御家人たちの不満を力づくで抑え込み、視聴者のヘイトを溜めていく一方で、政子(演:小池栄子)は謀叛を起こした宿老たちの声を聴いていました。
政子「あなたたちがそこまで思い詰めていたとは存じませんでした。恥ずかしい限りです」
三浦義澄「お面(て)をお上げ下さい」
岡崎義実「御台所は、ご存じかな。わしは息子を石橋山で亡くしとるんですわ。息子のためにも、わしは鎌倉殿のおそばにいたい。お役に立ちたい。けど、あのお方はちっともわしらの方を見てくれねぇ。それが悔しくてな」
政子「私も、あの戦で兄を失いました。命を懸けて戦った者たちのおかげで今の鎌倉があること、忘れはしません。これからは、鎌倉殿に言えぬことは私にお話し下さい。できることは、何でもやらせてもらいます」
自分も兄・宗時を亡くしたことで御家人たちの共感を得、話の分かる御台所として支持を集めていく政子。
この時点で当人にそのつもりがあるのかはともかく、頼朝の死後に尼将軍として活躍する下地を着々と築き上げていく様子が描かれていました。
大江広元の思惑によって御家人を恐怖で支配する頼朝が北風なら、政子の態度はまさしく太陽そのもの。
最終的に北条が天下を獲り、武士の世を切り拓いていくために、頼朝がその傀儡となっているようにさえ見えてきます。
後の話にはなりますが、承久の乱における政子の名演説は、こういう政子だったからこそ御家人たちも恩義を感じた……という布石なのでしょう。