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現代なら炎上必至!日本各地のお国柄をまとめた「六十六州人国記」が毒舌すぎる【東北&関東甲信越編】

現代なら炎上必至!日本各地のお国柄をまとめた「六十六州人国記」が毒舌すぎる【東北&関東甲信越編】

茨城県(常陸国)

盗賊が多くて夜討ち押込み(強盗)辻斬りを好み、罪を咎められてもそれを恥とも思わない。どんだけ図太い神経で生まれてきたのだろうか。

武士もだいたいそんな感じで、道理を知っていても自制が出来ないため、我欲を押し通すための方便に使うばかりである。

まったくロクな人間がいないが、仲間を裏切るような卑怯者は千人に一人もいない。

北関東3県(群馬、栃木、茨城)を並べてみると、西へ行くほどヘタレで、東へ行くほど凶暴というイメージを持っているようです。

下野国が辻斬りや強盗を「恥じない」のに対して、常陸国はそれらを「好む」……当人たちからそう訊いたのでしょうか。

仲間を裏切らないという点のみが、作者にとって美点のようです。

埼玉県&東京都(武蔵国)

この国の人々はとても明るく朗らかで、例えば大事にしている皿を誰かが割ってしまっても、怒るどころかその人に怪我がないか、いたわってあげる程である。

サッパリとした気風で、たとえ戦に敗れても次の勝利を目指して前向きに臨み、また勝っても驕らず、目先のことに一喜一憂しない余裕を持っている。

ただし、その大らかさが時として傲慢に見えることもある。

のびのびと大らかな人柄は、関東平野の広大さと何か関係があるのでしょうか。基本的に褒めちぎるばかりです。

最後の一言が余計な気もしますが、それさえも「大らかさゆえなのだ」と結局ヨイショしています。

その「大らかさ」を、作者は少し分けてもらうといいでしょう。

千葉県(安房国・上総国・下総国)

【安房国】
安房の人々はナイフのように尖った性格で人と仲良くせず、立ち居振る舞いも武骨で垢抜けない。男女共に死を恐れない勇敢さを持つも、思い込みが激しく、無鉄砲に突っ走りがち。

しかし言葉は卑しいけれど真正直なところもあって、武士としては上等の素質を持ち、庶民たちも武士に劣らぬ資質を備えている。善悪はともかく、一度こうと決めたら最後までやり遂げる意志の強さを持っている。

【上総国】
この国の人々はだいたい安房国と違いはないけれど、安房国より偏屈である。

庶民はいつも夜討ちや山賊稼業で喰って行こうと考えており、まっとうに働こうと考える者は百人に十人もいない。

武勇においては関東随一を誇るが、すぐカッとして実力行使に突っ走るので危なっかしい。

【下総国】
上総国と同じだけど、結城郡の人々はこの国には珍しく律儀な性格である。

三ヶ国で一つの千葉県となっていますが、書いている内に飽きてしまったのか、記述は竜頭蛇尾な印象です。

どうも気性が荒く、直情径行に突っ走りがちなようですが、根は正直らしく、意志の強さなど、北関東三県にに比べると好意的に書かれていますね。

ちなみに、特に律義さを謳われている結城郡は、現代の茨城県南西部に相当します。

5ページ目 神奈川県、山梨県、長野県、新潟県

 

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