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「福」を呼び込め!陰陽道から生まれた幸運を祝う浮世絵「有卦絵」とは【後編】

「福」を呼び込め!陰陽道から生まれた幸運を祝う浮世絵「有卦絵」とは【後編】:3ページ目

福禄寿

 

上掲の『有卦絵』に描かれているのは『福禄寿』という“七福神”の中のお一人です。七福神の信仰は、前編で少しご紹介しました「七難即滅、七福即生」で、人生を苦しめる七難(火難、水難等)を滅し、七福を生じると言われています。

福禄寿のご利益はその名のとおり、“福:幸福(特に子孫に恵まれる)”、“禄:身分・財宝、寿:長寿”と言われています。足元には“筆”があり、右側には桃の形に穴を空けられた三方に乗った宝船に、福助と福娘が乗っています。『福禄寿』は経文を書き上げたのを喜んでいらっしゃるのか、とても楽しそうなお姿で描かれています。

 

 

さて、初めの「金性の人」の“有卦絵”に戻りますと、立っている女性が捧げ持っているものは“二股大根”で、着ている着物の模様は“瓢(ふくべ)”です。

座っている男性が三方に乗せて掲げているものは“有卦菓子”というものです。これは福を運ぶ“宝船”に“ふ”が頭文字につく物を型どったお菓子を載せています。江戸時代には“有卦菓子屋”という菓子店があったほど人々の間に浸透していました。

ちなみにこの宝船の帆の支柱は“筆”を模していますね。縁起を祝って“有卦菓子”を床の間や神棚に飾りました。そしてこの男性の羽織の紋は“ふくらすずめ”です。

『有卦絵』は江戸後期から幕末には流行し、明治の中頃から廃れていきました。日本は江戸の後期から明治維新を経て、国民は将来が予測できない不安に苛まれ、有卦絵などに心の安心を求めたのではないでしょうか。

“国民は将来が予測できない不安に苛まれ”ているのは現在の日本の状況に似ています。なにかしらの安心材料、もしくはその根拠になるものが必要ではないでしょうか。

 

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