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繊細で美しい!日本の国花「菊」の様々な品種を描いた明治時代の木版画「契花百菊」
国の象徴とされる花のことを国花(こっか)と呼び、世界各国でさまざまな花が指定されていますが、日本の国花は「桜」そして「菊」。
「菊」においては鎌倉時代から皇室の家紋として菊紋が使用されるようになり、菊は国の象徴と共に皇室の象徴としての意味も持ちます。
そんな菊の花、現在では数千もの品種があるそうなのですが、今回は、様々な菊の品種を描いた明治時代の作品「契花百菊(けいかひゃくぎく)」を紹介します。
「契花百菊」は明治26年に刊行された3巻からなる木版摺りの作品集で、作者は当時絵師として活動していた長谷川契華(はせがわけいか)。
長谷川契華は以前Japaaanで紹介した、モダンで色彩豊かな明治時代の図案集「京華図案」を制作した人物でもあります。
モダンで色彩豊かな明治時代の図案集「京華図案」がハイレベルすぎる!
以前紹介した、明治35年から神坂雪佳(かみさかせっか)と古谷紅麟(ふるやこうりん)によってシリーズもので制作された図案集「新美術海」。色彩豊かなデザインの数々は今見ても新鮮で、日本の伝統柄を随所に使い…
菊は昔から日本人にとても馴染みのある植物で、江戸時代には菊の大ブームが巻き起こり、菊の育種技術が一気に加速しました。
「契花百菊」が制作された明治時代にも菊の人気は普遍で、今日まで永く愛され続けています。身近なところでは五十円硬貨のデザインにも採用されていますね。
長谷川契華が描いた様々な菊は写実的でとても繊細。ぼかし摺りなど多色摺木版画ならではの良さもありますが、長谷川契華の肉筆画を見てみたい!と思わせるほどの魅力をもった作品集となっています。
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