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文学や小咄にもなって浸透した夜鷹そば
夜鷹そば=安いと言う概念は川柳にも浸透しており、『客二ツつぶして夜鷹三つ食い』と言う一句があります。24文だった夜鷹の代金2人分=48文あれば夜鷹そばが3杯食べられると言う意味で、夜鷹そば、街娼の夜鷹いずれもが安価であったことを物語っています。
また、現代のように食品衛生についての取り締まりが無かったために不衛生な蕎麦屋もいたらしく、江戸小咄には夜鷹そばを商う夫婦のやりとりがあります。
帰宅するなりご飯を食べさせて欲しいと言う親父さんに、おかみさんが
「やだ、売り物の蕎麦があるじゃない。それを食べればいいじゃないの?」
「母ちゃん、こんな汚ねェものが喰えるわけねえだろ!」
少々下品なオチですが、親父さんは不衛生なのを知っていてお客に売っていたということなのです。
いつでも食べたいものを求める一方で、安価なサービスには何かしらの問題があると危惧していたのは、現代人も江戸時代も変わらないですね。
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