満ちれば欠ける世の習い…残り数回、終盤の「光る君へ」史実を基に11月17日放送を振り返り:4ページ目
東宮を辞退した敦明親王
三条天皇が譲位する条件として、次期東宮(皇太子)となった敦明親王(阿佐辰美)。しかしいざ東宮になったら、周囲からボイコットに遭います。道長の差し金あるいは道長への忖度であることは間違いありません。
そうした嫌がらせに耐え兼ね、また自分よりかなり年少な後一条天皇(敦成親王)の東宮でいても、自身が即位できる見込みは薄そうです。
仮に即位できたところで、周囲に味方がいない中で父帝が受けてきた仕打ち(譲位の圧力)を絶えず受け続けることになります。
前途に絶望した敦明親王は「自ら」東宮の座を辞退。かくして三条天皇との約束は実質的に反故とされたのでした。
次期東宮には敦良親王(彰子の第二子・後一条天皇の実弟。のち後朱雀天皇)が立てられ、兄弟で皇位二代を占めたのです。
東宮の座を退いた敦明親王は小一条院(こいちじょういん)という尊号を贈られ、上皇に準ずる破格の待遇を提供されました。