満ちれば欠ける世の習い…残り数回、終盤の「光る君へ」史実を基に11月17日放送を振り返り:2ページ目
頼通と破談になった禔子内親王
道長との関係改善≒譲位を回避しようと図る三条天皇は、皇女の禔子内親王(ていし/ただこ/やすこ)を頼通の妻に勧めました。
古来、天皇陛下の方から積極的に内親王を降嫁させる例はなく、それだけ三条天皇が追い詰められていたのがわかります。
しかし頼通は正室の隆姫女王(田中日奈子)を愛していたため、この縁談に乗り気ではありませんでした。
また頼通が重病に臥した折、舅である具平親王(ともひら。村上天皇皇子)の霊が夢枕に立って、娘を捨てないよう涙ながらに訴えたと言います。
ちなみに『小右記』では亡き藤原伊周(三浦翔平)の怨霊とされており、本作ではこちらの説が採られました。
いずれにしても縁談は破談となってしまい、禔子内親王は後に藤原教通(姫子松柾)と結婚します。
ちなみに頼通はその後側室を迎え、後継者問題は解決されました。流石に立場上、実子がいないままでは済まされなかったのでしょう。
「無理やり結婚を進めるなら、隆姫と二人で駆け落ちする(意訳)」
かつて道長がまひろとしようとしていたことを切り出し、因果を感じさせずにはいられません。