ゴリ押し、うっかり…藤原道長はそういうヤツ!大河ドラマ「光る君へ」第40回放送(10月20日)振り返り:4ページ目
一条天皇が最期に詠んだ「君」は誰?
露の身の 風の宿りに 君をおきて
塵を出でぬる 事ぞ悲しき※藤原行成『権記』より
【意訳】風に吹かれる露のようなあなたを置いて、俗塵を脱して=出家してしまう事が、悲しくてならない。
これは一条天皇の辞世と言われますが、この君とは誰のことでしょうか。
今の中宮である藤原彰子か、それともかつて亡くした藤原定子(高畑充希)か。
どちらとも、あるいは誰ともハッキリしないものの、定子の辞世が思い出されてなりません。
煙とも 雲ともならぬ 身なりとも
草葉の露を それと眺めよ【意訳】煙にも雲にもならない=火葬されず、土葬を希望する私のことを、草場の露を見る度に思い出して下さい。
これはかつて定子を愛しながらやむなく彰子を受け入れた一条天皇へ贈られた歌。一条天皇はこれに応えたのでした。
ちなみに道長は一条天皇の辞世を、自身の日記『御堂関白記』にこう記しています。
露の身の 草の宿りに 君を置きて
塵を出でぬる 事をこそ思へ※『御堂関白記』より
【意訳】草葉にしたたる露のごとき俗世にあなた(藤原彰子)を置いて、俗塵を脱する=出家する私の想いをどうか知ってほしい。
一度に二首詠んだとも思えないので、各日記の違いは単純に聞き違いかも知れません。
しかし道長としては、一条天皇が定子よりも彰子を愛していてくれた方が好都合。
聞き違えたことにして、辞世を書き換えた?可能性もあり得なくはなさそうです。むしろ道長ならやりかねません。
筆者的には、どちらの君とも相応に長く過ごしていますし、どちらにも愛情はあったものと思います。
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