残業や泊まり込みまで!実はなかなかの「社畜」っぷりだった奈良時代の役人たちの実態:2ページ目
恐怖!残業も泊まり込みもあった
奈良時代の役人の朝は早く、大宝律令の注釈書である『古記』によると、朝六時半には出勤していなければならなかったようです。
その中で、正規の就業時間は午前中の三~四時間程度。これだけ見るととても働きやすそうに感じられますが、下級役人は午後も仕事をしていました。残業です。
当時の下級役人の勤務日数が記されている史料によれば、午前中の勤務である「日」印とともに、午後の残業印である「夕」も数多く残っていました。
つまり下級役人は残業を強いられていたのです。また、中には泊まり込みで仕事をする役人もいたようです。
現代では、官僚というと一般のサラリーマンから見れば「エリート」であり羨ましい存在ですが、残業・長時間労働・パワハラと、その勤務実態はかなり過酷だと言われています。そうした状況は古代から変わっていないんですね。