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残業や泊まり込みまで!実はなかなかの「社畜」っぷりだった奈良時代の役人たちの実態

残業や泊まり込みまで!実はなかなかの「社畜」っぷりだった奈良時代の役人たちの実態:3ページ目

年収を副業で補う

さて、そんな下級役人たちの勤務評定ですが、彼らは勤務態度・道徳性・才能・失敗の有無などを上司からチェックされ、長上官なら九段階、番上官なら三段階の評価を受けていました。

評価期間は、長上官なら六年間、番上官なら八年間で、評価が中等以上なら官位を一ランクを上げてもらうことができました。こうして彼らは昇進することができたわけです。

ただ、下級役人はたとえ昇進できても年収の上昇カーブは緩やかで、正七位に昇進しても年収500万円にも満たなかったようです。

かように、さほど収入が上がらないので、家族が農業を営んでなんとか暮らしを立てていたというのが実状だったようです。今でいう副業ですね。

古代から、日本人は「社畜」と呼ばれても仕方ないような働き方をしていたんですね。もしかすると、現代の「働き方改革」は古代からの歴史の中でもかなり画期的な政策だったのかも知れません。

参考資料:歴史の謎研究会『舞台裏から歴史を読む雑学で日本全史』2022年、株式会社青春出版社
画像:photoAC,Wikipedia

 

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