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俗説と誤解に満ちた室町時代の歴史イメージ!金閣は国宝ではない?銀閣に銀箔は貼られていない?

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金閣も銀閣もイメージと違う

その理由は簡単で、金閣は1950(昭和25)年、放火によって焼失しているからです。現在の金閣は建て替えられたものなので、決して本当の意味で室町時代の建築物とは言えません。

厳密には、いわば室町時代風昭和建築だと言えるでしょう。よって、あれほど有名な金閣も国宝ではありません。おそらく「金閣は国宝に指定されているか?」と尋ねたら、多くの人が「当然国宝だろう」と思うかも知れませんが、実はそうではないのです。

また、金閣に関する誤解は他にもあります。金閣は建物全体が金箔に覆われているように思われがちですが、三層のうち一層には金箔が貼られていません。これは写真で簡単に確認できます。

さて、室町時代の文化(東山文化)を代表する建築物として、金閣と双璧をなすのが銀閣です。これにもさまざまな誤解がまとわりついています。

銀閣寺と呼称されている寺院は、正式名称を慈照寺といい、禅宗(臨済宗相国寺派)の寺院です。その寺院の建物の一つである観音殿が、銀閣なのです。

そもそも、もともとの名称は銀閣ではありませんし、寺ですらありませんでした。足利義政の東山殿(山荘)だったのです。

北山の金閣に相対するものとして江戸時代から銀閣と呼ばれるようになっただけで、よって銀箔も貼られていません。

銀箔の有無については、金閣に金箔が貼られているのでどうしても勘違いされがちですが、当該建物に銀箔が貼られた痕跡はありません。むしろ最初は漆塗りだったのではないかと考えられています。

3ページ目 室町時代のイメージには誤解がいっぱい

 

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