俗説と誤解に満ちた室町時代の歴史イメージ!金閣は国宝ではない?銀閣に銀箔は貼られていない?
教科書の変化
学校での日本史の学習において、なぜか室町時代というのは軽んじられる傾向があります。
小学校の教科書での説明も実にシンプルで、建武の新政や南北朝の争乱についてスキップしているものもあるほどです。
室町時代の人物で大きく取り上げられる人物といえば、かろうじて足利義満と足利義政の二人くらいなもので、見開きページで左側に金閣の写真と義満の話、右側に銀閣の写真と義政の話、それに応仁の乱や一揆の話が添えられるのが関の山です。
こうした傾向は中学校の教科書もほぼ同様で、当時の文化について「室町文化」と一括りにされることが多く、高校の教科書のように北山文化・東山文化という分類もされないのが一般的です。
とはいえ、こうした傾向について変化がないわけではありません。室町時代を代表する二つの建築物といえば金閣と銀閣ですが、教科書や試験問題での扱いは少し変わってきました。
従来の教科書では、現在の金閣の写真を示して「これが室町時代の北山文化を代表する建物である」と説明してみたり、試験では「これが何時代の建築に該当するか答えよ」などと出題されたりしたものです。
しかし最近は、こうした記述はなくなりつつあります。なぜでしょうか?