大河ドラマ「光る君へ」1月14日放送の疑問点や重要トピックを振り返り!6年ぶりに再会した二人。しかし…:5ページ目
孟嘗君「鶏鳴狗盗」のこと
為時「犬のように盗むのがうまい男と、鶏の鳴きまねのうまい男を家来にした名君とは誰か」
太郎「ヘイゲンクン(平原君)?」
まひろ「(小声で)孟嘗君」
孟嘗君(もうしょうくん)とは中国の戦国時代に活躍した斉国の人物で、本名を田文(でん ぶん。生年不詳~紀元前279年没)と言いました。
ちなみに太郎(高杉真宙)が答えた平原君とは同じく戦国時代に生きた趙国の趙勝(ちょう しょう。生年不詳~紀元前251年没)のこと。
この他、魏国の信陵君こと魏無忌(ぎ むき。生年不詳~紀元前244年没)や楚国の春申君こと黄歇(こう あつ。生年不詳~紀元前238年没)が知られます。彼ら四人は後世「戦国四君」と呼ばれました。
そして本題となる盗みと鳴き真似の話ですが、鶏鳴狗盗(けいめいくとう)という故事成語をご存知の方も多いのではないでしょうか。
孟嘗君は多くの食客(居候)を抱えたことで知られ、何か一つでも特技があれば誰でも迎え入れました。
その中に鶏の鳴き真似名人と盗みの名人がおり、それが役に立ったという話です。
盗みはともかく鳴き真似をどう役立てたかと言うと、関所の番人が朝の一番鶏と共に門を開けることから、その鳴き真似で門を開けさせて脱出できたのでした。
だから一芸一才も軽んじることなく尊重すべき、という教訓なのですが、せっかくなら全部紹介して欲しかったですね。
断片的なワードや知識を散りばめて興味を惹く手はあるものの、やはりある程度の塊にしてあげた方がよりよいのではないでしょうか。
また、後に登場するであろう清少納言(ファーストサマーウイカ)がこの故事を元に、こんな和歌を詠んでいますね。
夜をこめて 鳥の空音(そらね)は はかるとも
よに逢坂(あふさか)の 関はゆるさじ【意訳】夜を縮めようと鶏の鳴きまねをしたって、この逢坂の関門は開けませんよ=あなたを迎え入れはしませんよ。
果たして、これが後々どのような伏線となるのかどうか、楽しみです。